鳶・江戸火消し文化

木遣(きやり)

江戸火消しの伝統文化である作業唄

木遣(きやり)

「きやり」は元来が作業唄で、複数の人員で仕事をするとき、その力を一つにまとめるため唄われたもの。

きやりは元来が作業唄で、複数の人員で仕事をする時、その力を一つにまとめるための掛け声、合図として唄われたものであります。
また、きやりには2種類があり、その①は材木等の重量物を移動するときに唄われる木引き木遣りであり、その②は土地を突き固めるいわゆる地形の際に唄われる木遣りとがあります。

鳶の木遣りはこのうち②の地形木遣りの範疇に属します。 現代では作業そのものが動力化し、人力に頼ることも少なくなりこれにつれて木遣りも作業唄から離れて儀式化し、また一部俗謡化するなど聴かせるための木遣りへと変貌していきました。

このように鳶木遣りはそれ自体鳶職人の唄として生まれたものですが、町火消が鳶職人を中心に編成されたため木遣りも自然のうちに町火消の中に溶け込み、受け継がれていったといわれています。
曲は真鶴のほか、地・くさり物・追掛け物・手休め物・流れ物・端物・大間など8種110曲があり、江戸消防記念会では後継者づくりのため昭和28年先人の木遣り練達者により集大成された『木遣定本』を再版し、正統木遣り伝承の資料としています。

なお、昭和31年3月3日には、江戸町火消によって今日まで受け継がれてきた伝統の「江戸の鳶木遣」8種110曲が東京都技芸として無形文化財に指定され、江戸消防記念会がその保存団体として文化継承の社会的責任を担っております。

参考文献:(社)江戸消防記念会第一区ホームページ「伝統文化」より参照

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